【 電子透かしの使い方 】
弊社は、画像に対して目に見えないような形で情報を埋め込む事が可能な電子透かし acuagraphy(アクアグラフィ)と言う製品(技術)を、開発し販売しています。
一般的には、著作権関連の情報を埋め込んでおいて不正利用の抑止に役立てようと言う使い方が多いのですが、どんな情報を埋め込むかは、使い方次第で自由です。
弊社Facebookページにおいてシリーズでご紹介させて頂いた、「電子透かしを使えばこんな事も出来る」というお話を、あらためて掲載させて頂きます。
< 著作権の主張 >
※電子透かし acuagraphyは著作権者の権利保護に役立てることが出来ます。
Aさんは偶然に、或る歴史的建造物の火災現場に遭遇しました。これはスクープだとその写真をBテレビに持ち込んだところ、ニュースなどで放送されました。
ところが翌日、CテレビやD新聞にも同様の写真が掲載されました。
AさんはBテレビにしか写真を提供していないため確認したところ、Zさんがその写真をCテレビやD新聞に持ち込んだ事が判りました。
Zさんは、いやいや、私も偶然その現場に居合わせたんです、と言います。
こんな時、Bテレビに渡した写真に「これはAのもの」と言う「透かし」情報を埋め込んでおけば、CテレビやD新聞の写真が実はAさんのものなのかどうかを確認する事が可能になります。
< 電子透かしの使い方 流出経路の特定 >
※電子透かし acuagraphyは流出経路の特定に役立てることが出来ます。
A社は画期的な新製品の開発に成功し、新製品発表のためにB印刷でカタログをCプロダクションでCMを、事前に作成することになりました。
しかし、発表前に新製品画像などがスクープとして流出してしまったため、結果的にA社は発表スケジュールの変更に加え、既存製品の売上にも影響を生じ、販売計画などの見直しを余儀なくされました。
そこで今後の対策を考えようとしましたが、スクープされた画像はB印刷にもCプロダクションにも渡しているため、原因究明が出来ません。
こんな時、全く同じ画像だとしても「B印刷向け」「Cプロダクション向け」と言う「透かし」情報を埋め込んでおけば、流出した画像がB印刷から流出したものかCプロダクションから流出したものかを確認する事が出来ます。
< 電子透かしの使い方 画像管理 >
※電子透かしは、画像管理にも応用することが出来ます。
画像ファイルの管理は、ファイル名によって管理・分類されているのが一般的だと思います。
しかし、もしファイル名が変更されてしまうと面倒な事になります。
通常のテキスト系ファイルであれば、ファイル内部の文言自体を検索して確認する事も可能ですが、画像ファイルの場合はそうも行きません。
1枚、1枚、ファイルを開いて画像を確認して行くしか方法がありません。
これでは非常に手間がかかってしまいますので、電子透かしを使って情報を埋め込んでおき、この透かし情報を元に管理・分類するという方法があります。
電子透かしの情報は、画像そのものに付加されますので、ファイル名が変更されたり、縮小・拡大など画像加工されても問題なく活用出来ます。
また、ネット上に分散している画像の透かし情報を確認する事も可能ですので、この手法を使って、各ネットショップで表示されている画像が最新のものか、バージョン管理などに利用することも可能です。
< 電子透かしの使い方 改ざん検知 >
※電子透かしは、画像の改ざん検知にも応用することが出来ます。
話題となったSTAP細胞ではありませんが、画像が改ざんされているかどうかを確認するのは、実は結構難しい面があります。
単純に改ざん(変更)されているかどうかだけであれば、元画像のHASH値をどこかに確保しておき、HASH値で比較するという方法があります。
※HASH関数:或るデジタルデータから256bitや512bitなどの固定長のダイジェストデータ(HASH値)を抽出する関数。元のデジタルデータが変われば、抽出されるダイジェストデータ(HASH値)も変わるため、HASH値の比較で変更が有ったかどうかを確認出来る。
この手法は比較的簡単な手法ですが、HASH値だけでは、画像のどこが変更されたか迄は判りませんし、そもそもどこかにHASH値を大切に保存しておく必要があります。
HASH値を保存しておく仕組みを作るのであれば、元画像を保存しておく方が早いし正確なのでは無いかと言う議論に戻ってしまいます。
透かしは画像の全面に情報を書き込むことが出来ますので、これを利用して、もし画像の一部分から正しい透かしが検出出来なかったら、その部分が改ざんされているのではと推測することが出来ます。
この手法を使えば、元画像もHASH値も何も保存する必要が有りません。
< 電子透かしの使い方 情報秘匿 >
※電子透かしは、情報秘匿と言う分野にも応用することが出来ます。
弊社の電子透かし製品 acuagraphy(アクアグラフィ)は、画像の一部分だけを切り取って使われても、そこから情報が取り出せるようになっています。
例えば、人物の顔の部分を切り取って、それをどこかで使われたとしても、顔の部分からだけでも透かし情報が取り出せます。
これを実現するため、埋め込める情報量はあまり多くはありません。
しかし、切り取りの耐性などは無視して、画像全体を使って大きな情報量のデータを埋め込む事も可能です。
これを使って、「外部の人には画像のやり取りをしているようにしか見えないが、実は重要なデータのやり取りを行っている。」という仕組みが可能になります。
情報の秘匿という意味では、暗号が代表的なものですが、暗号通信の場合、「情報の中身はわからなくても、何かしらのデータをやり取りしている。」ということはわかってしまいます。
それに対し、電子透かしを使った場合は、上記の通り重要なデータのやり取りだとはわからない状態で情報のやり取りをすることも可能になります。
< 電子透かしの使い方 ハイビジョン放送波への適用 >
前回までの掲載の通り、弊社の電子透かしacuagraphyは諸々の用途に対応することが出来ます。
しかし、更に対応範囲を拡大するため2014年6月に三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社(以下、MDIS)様との協業を発表致しました。
MDIS様の電子透かしは、ハイビジョンのテレビ放送波に埋め込む事が出来ます。
この協業により、テレビ放送波、それを録画したMpegやWMVなどの動画ファイル、さらにそこから切り出された静止画、或いは音声など、全ての場面に対応することが可能になりました。
One-Source Multi-Use と言われる時代、それら各種のコンテンツ保護に対しOne-Stopで対応出来る電子透かしacuagraphyにご期待下さい。
製品ページはこちら!
三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
http://www.mdis.co.jp/products/digital-watermark/index.html
株式会社フォーカスシステムズ
http://www.focus-s.com/focus-s/products/security/acuagraphy/indexPM.html