【第5回】マネージャーとしての箔をつける~管理職研修~

”研修制度特集”の5回目は、管理職(課長職以上)の社員に向けた研修について、ご紹介します。

管理職は効果的な職場マネジメントの遂行はもちろん、正確な収支管理、労務管理上の事案やトラブルに適切に対応できることなども求められます。また、メンバー達の適切な目標設定や公平な評価ができることも頼れる管理職になるために必要なスキルです。研修で学んだことを確実に実行する必要があるため、管理職研修は、より実践に近いケーススタディやディスカッションが多く、難易度の高い、緊張感のある研修となっています。

<図>階層毎の集合研修(拡大版は こちら

新課長研修

この研修では、マネジメントの「原理原則」と自分自身の日常の判断や行動を照らし合わせ、効果的な職場マネジメントを行っていくための行動指針をつかむことを目的としています。

人・物・金・情報などの資源を効果的に活用し、対立・矛盾しがちな「会社が求めること」と「個人の欲求」を調和させ成果を出すといったマネジメントの原理原則を学び、自分自身が上司(会社)やメンバーに何を求められているかを振り返ります。そして今後、管理職としてどうありたいか、またありたい自分を実現するためには何が必要かを考えます。考えた結果はグループディスカッション後に発表し、講師や他の参加者からのコメントを受け、今後の行動指針を決めていきます。

本研修には社長や顧問による、実体験に基づいた講話もあります。経営理念や会社の数字などに関して受講者との対話形式で行われ、管理職が会社方針や動向を把握することの重要性を再確認します。

<受講者の声>

・部下のコミュニケーションの仕方について、自分がこれまで実践してきたやり方など、まだまだ足りていないことがあると実感する事ができました。
・管理職として、どうあるべきかなど目標をはっきりさせることができました。普段接することの少ない他のプロジェクトの課長と話をすることができ、参考となる話も聞く事ができました。

労務研修

この研修では、労務管理上の事案やトラブルに対し、適切に対応するため、労働法規の基本事項を改めて確認し、管理職として日常の職場管理において心得ておくべき実務ポイントを解説します。それにより、快適な職場環境作りやメンタル不調者に対する適切な対応がとれることを目的としています。

IT業界は稼働が高いとも言われていましたが、当社も働き方改革に伴い長時間労働是正への取り組みを行っており、平均残業時間も減ってきております。当社では、管理職向けに労務研修を長年実施しております。労働基準法、労働者派遣法、男女雇用機会均等法などの労働者保護のための法務的な難しい内容もありますが、メンバーの不調に気づくためのメンタルヘルス管理やメンタルヘルス不調の対応策、また休職者に対する復帰前、復帰後のケアなど、万が一の際に実践で活用できるような内容になっており、本研修へ臨む受講者の意識は年々高くなっています。

<受講者の声>

・所定と法定内残業の考え方を理解し、残業に対するスタンス・意識を変えて業務を取り組むことができると思います。
・時間外労働の管理で、最近の事例があったことがわかりやすかったと思います。
・法務的な難しい内容にも関わらず、具体的な事例や対話形式で理解しやすく、実践にも活かせると感じました。

プロジェクト収支研修

この研修では、プロジェクト収支を中心とした経理知識とプロジェクト利益の算出方法を習得し、プロジェクトマネジメントに活用することを目的としています。

大半の社員は、設計や製造、構築など技術的な経験を積み、そしてリーダー層となり納期を遵守するためチームのスケジュール管理を経験します。しかし、管理職になる前にコスト管理を実務上で経験することは少なく、管理職になってから経験する社員が大半になります。そのような実情を踏まえ、ソフトウェア開発におけるプロジェクト収支を実態と照らし合わせ学べるのが、当社のプロジェクト収支研修です。

契約形態(請負・SES・派遣・物販)や契約期間により売上や売上原価の計上のタイミングが異なるなど、複雑なソフトウェア開発における収支の考え方を多くの演習を実施することで、習得していきます。

 

<受講者の声>

・漠然と理解していた減価償却費について、取得した資産の内容により算出方法が異なることが明確になりました。
・プロジェクトの作業期間の事例ごとに、どの期間の売上原価を仕掛品として計上するかの説明があり、仕掛品の計上について理解できました。

 

コンピテンシー考課者研修

コンピテンシーとは、継続的に成果をあげる人の「行動特性」です。当社では業務に対する取り組み姿勢や業務遂行能力が、業績や成果につながる「行動」や「事実」として見られたかどうかを人事評価のポイントとしています。コンピテンシーを評価することで、効果的な課題解決、人材育成力の向上、コミュニケーションの活性化などが期待されます。

本研修を通し、評価基準を把握し、職務行動の記録・分析、評価、フィードバックの方法を習得します。また、義理人情から良い評価をしてしまうことや評価直前の出来事が大きく印象に残り昔の出来事の印象が薄くなるなど、「評価する側が陥りやすい傾向」や、メンバーが納得できるためのフィードバックを行うための面談時のステップなどをケーススタディやロールプレイにより習得し、実践に活かせるようにしています。

 

<受講者の感想>

・コンピテンシー評価演習での説得(評価説明)がとても参考になりました。これから経験を積み、本人も納得のできる面談をしていきたいと思います。
・コンピテンシー評価方法、フィードバック方法についてとても参考になりました。これから中間評価、年度評価をする際に活かしていきたいと思います。
・評価するうえで事前準備(行動と事実)が重要であると痛感しました。

当社では、リーダー育成のための基盤作りとして、昇格前にヒューマンスキル系の研修を行い(関連記事の第3回、第4回をご参照下さい)、昇格後に労務管理やプロジェクト収支、評価方法など、管理職の実務に近い研修を行っております。また、研修の企画から講師までを経理部や人事部が担当することで、より実務で活かせる研修内容を組んでおります。

 

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