フォーカスシステムズは、千葉県にある農場の1区画をお借りして、障害者雇用に取り組んでいます。そこでは、知的障害を持つ当社社員が5人働いています。この5人には、6月までもう1人の同僚Aさんがいましたが、残念ながら自宅の引っ越しに伴い退職してしまいました。
今回は、この間まで農場で働いてくれたAさんについて、備忘録も兼ねて触れたいと思います。
Aさんには知的障害があります。農場で働き始めたばかりの頃は、色白の華奢な男性でした。体力もなかったのか、時々事務所で休んだりしていたことも・・・。それが徐々に色黒になり強くなってきました。
変わってきたのはそれだけではありません。以前はほとんど声を発しなかったAさんが、徐々に話すようになってきたのです。
そして、自分が変わったことに本人は全く気付いていません。周りから「以前とは違うね」と言われても「え?そう?」といった具合です。
農作業は身体と精神のリハビリに効果があると聞いたことがありますが、その実例をAさんが私たちにみせてくれたような気がしました。
ところで、これをご覧頂いている社会人のみなさんは、何をモチベーションに働いていますか?やりがい・趣味・家族・・・モチベーションの源は人それぞれだと思います。
「自分で稼いだお金でお母さんをUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)に連れて行く」
Aさんはこれをモチベーションの1つとして農業に勤しみ、実際、毎年お正月にお母様をUSJに連れていっていました。
知的障害を持ちながら、毎日交通機関を使って自力で通勤し、働くことは決して楽なことではないはずです。健常者であってもこのように親孝行をモチベーションに働いている人がどのくらいいるでしょうか。
この言動に凝縮されているAさんの人柄や遂行力、そしてお母様への想いなど全てに敬慕すると同時に、Aさんが余儀なく退職することになってしまったことをとても残念に思います。
これまでの感謝を込めて、Aさんの新天地での活躍をお祈りしています。
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