“研修制度特集”の4回目は、管理職になる前段の中堅社員に向けた研修について、ご紹介します。
中堅社員向けの研修(2)は、お客様やメンバーなどステークホルダーとのコミュニケーションや、チームの目標設定や戦略などをいかにメンバーに理解をさせるかなど、管理職となるための準備をおこなう研修が主になります。確実に考え方や手法を身に着けるために実践を中心に数日間実施する研修も多くなってきます。
<図>階層毎の集合研修(拡大版PDF)
新主任研修
この研修では、リーダーとして必要とされる能力を知り、自己認識を高めると共に、不足している点を補うための知識と方法を習得します。一般的なリーダーに必要とされる能力を踏まえ、当社の職種区分(技術職、総合職、専門職)ごとに必要とされる能力が明確になるため、改善点・強化点を明確にできます。
過去にリーダーとして経験した最大の問題や課題について、原因と対策を振り返り、グループ内で話し合う事で、自分には無かった新たな問題や課題の解決方法を導きます。当社は公共や民間、セキュリティなど様々なプロジェクトがあり、リーダーとしての経験も様々です。そのため、異なるプロジェクトで働くリーダーからのアドバイスは参考となり所属しているプロジェクトに活かすこともできます。
また、この研修では社長講話、顧問講話が行われ、リーダーとしての在り方についての問いかけも有り、理想の主任像をイメージできる研修でもあります。
コーチング&ファシリテーション研修
この研修では、相手の無限の可能性を信じ、どうしたら相手のためになるかを意識し、気づきや行動、能力を引き出す『コーチング』とグループが目標を達成できるように、ファシリテーター(※1)として体系的にグループのプロセスの構築と管理をしながら会議を進行させる『ファシリテーション』について学びます。
リーダー(もしくは先輩・上司)として、メンバーと1対1のコミュニケーションを取らないことはありません。コミュニケーションを取るうえで、相手に伝わりやすい表現で話すことや相手の理解度を見極めながら話すこと、具体的で明確な質問を心がけることなどのEQ(心のIQ)と、特定の分野のある程度の知識を持つことや、事実か意見かを見極める分析力などのIQ(思考力)がリーダーには求められます。EQとIQを高くし、多様性を理解することで、様々な考えを持ったメンバーの意見を集約し、チームをより良い方向へ導くことが可能になります。
(※1)ファシリテーターとは
人と人とが関わり、対話や議論を行うような場において、参加者の主体性や相互作用を促進しようと働きかける役割のことを言います。
また、その場にとってより望ましいと思われるような結果になるよう、意識的に参加者の関係性、あるいは、対話や議論のプロセスに働きかける役割を担う人のことです。
ビジョン構築・戦略策定・目標設定研修
この研修では、ビジョン実現のための戦略を策定し、目標設定との連動方法を学び、会社、部門のビジョンや戦略、目標の作り方を知り、個人のビジョン、戦略、目標を作成できるようにします。
ビジョンや戦略、目標を設定する際、会社のビジョン・戦略・目標と個人のそれらが連動していないと会社のビジョン・戦略・目標は達成することができません。本研修では連動させる必要性を共通の目的、協働意欲、コミュニケーションの組織成立の三要素に沿って考えます。
連動の必要性を理解したうえで、ビジョン、戦略、目標のそれぞれの定義を理解し、個人のビジョン、戦略、目標の作り方を学び、実際に作成します。
コンセプチュアルスキル研修
この研修では、知識や情報などを体系的に組み合わせて問題の本質を見極める力(コンセプチュアルスキル)を養うことで、問題の創造的な解決につなげるスキルを向上させる考え方と行動を習得していきます。コンセプチュアルスキルは、下図が示すように、より上位のマネージャーになるほど必要であると考えられています。
本研修を通し、聞く・読む・感じるなどの「情報を取り込む能力、整理する能力」とロジカルシンキングなどの「自分の頭で考える能力」、書く・話す・対話するなどの「表現する能力」を向上させます。それらの能力を向上させることで、抽象的な考えや物事の大枠を理解する力を養います。
<図>ロバート・カッツモデル
<受講者の感想>
・具体化と抽象化の関係や、文章を書くコツが理解できた。また、対話の方法も理解できました。
・相手に伝えるときの考え方や方法について学ぶことができました。また、自分を内省することの大切さについても学びました。
プロジェクトリーダーのための心理学研修
プロジェクトマネジメントをより効果的に行うために、チームマネジメントやコミュニケーション、モチベーション、ストレスについて心理学をベースに学びます。プロジェクトリーダーがストレス管理やモチベーション管理等のマネジメントスキルを効果的に発揮し、プロジェクトを円滑に運営するために必要な基礎知識を習得します。
最近では「叱りたくても、叱ると辞められてしまうのでは」と思い、叱ることに躊躇する傾向もあるようです。但し、叱ることは相手に仕事の進め方や社会人としてのマナーやルールを教えたり、部下の能力を伸ばすためであり、叱らないことは相手に対し無関心であることと等しいのです。効果的に叱ることができるようになるため、本研修では叱ることと怒ることの違いや叱った後のフォローなども学びます。
<受講者の感想>
・e-learningでは漠然としていましたが、集合研修を通して成果を得られました。今後のプロジェクト遂行に、ビリーフ(認識・信念・考え方)の修正やモチベーション向上等を役立てていきます。
・メンバーに対するストレスマネジメントやモチベーションコントロールについて学習できました。
プロマネの必勝テクニック研修
プロジェクトの成功を阻害する組織間やステークホルダー間の見えない壁を打ち破る人材のマインドとスキルおよび行動様式を事例研究と内省・対話を通じて習得していきます。リフレクティブ・プロジェクトマネジメント(※2)により、「真に顧客価値を向上させる成果を生み出す」ことと「組織と人を成長・発展させ、心身の健康を維持する」ことを目的とします。
(※2)リフレクティブ・プロジェクトマネジメントとは
下記のプロジェクトにおけるステークホルダーのあり方や行動様式をリフレクティブ・プロジェクトマネジメントと呼びます。
・プロジェクトの目的とねらいは何かを肝に銘じ、その実現のために自ら出向き、様々な人との対話を重ねる。
・対話を通じて、全体をつなぎ新たなニーズやアイデア創造するようなマネジメントスタイルを実践する。
・節目において対話しながら内省し、そこから新たな気づきと行動を生み出すような習慣を持つ。
<受講者の感想>
・メンタルモデルの考え方が非常に参考になりました。偏った考えになりがちなので、自分のメンタルモデルを知る事で、自分の主張を分析します。
・対話の手法は理解できたが、相手をその土俵に乗せる手法が難しいと思っていました。グランドルールというルールを設ける事で実現できそうだと思われ、大変良かったです。
・内心ではなんとなく行っていた事、考えていた事を体系立てて説明していただき、考え方を明確にする事ができました。
管理職昇格アセスメント研修
昇格のターゲットとなる課長職に求められる能力・スキルについて、現状における判定を行います。アセスメント研修終了後に結果について個別にフィードバックを受け今後の能力開発につなげます。
中堅社員向けの研修(2)は、近く管理職を目指す社員の参加が多いため、議論内容も具体性が高く、より実態に近い形でグループワークが行われております。お客様にとって、また、メンバーにとっても魅力あるマネージャーを目指し、数日間参加する研修においても皆モチベーション高く参加しています。
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